私の頭に浮かんだのは、雛のSNS。
パスワード付きのあの投稿文。
ヒントは『私達が行く場所に咲く花の名前』。
答えは…まだ分かっていない。
「ねえ、ひなた…今日の夜、また調査を再開したいんだけど…手伝ってもらってもいい?」
私の言葉に「もちろん」とひなたが頷く。
「ありがとう、ひなた…」
雛を殺した犯人を見つけるために、早くパスワードを解かなくちゃ。
持っているレジ袋の取っ手をギュッと握りしめる。
「奏ちゃんは雛ちゃんとお友達なんだよね?」
「え?うん…そうだけど、どうかした?」
そう聞くと、ひなたは歩きながら顔だけを私の方へ向けた。
「あのね、二人はどこで知り合ったのかなって…ちょっと気になっちゃった」
その言葉に、大きくまばたきをする。
そういえば…まだ言ってなかったっけ。
私は空を見上げながら口を開いた。
頭上では夕焼けに夜がまじり始めている。
「修学旅行だよ、中学3年生のときの京都で…ちょうど雛の学校も修学旅行中だったみたい。それからかな?仲良くなってSNSで話すようになったの」
「ふーん…そっか、二人とも仲良しだったんだね」
ひなたの言葉にニヤニヤとからかうように笑みを浮かべる。
「え~、ひなたってば、雛にヤキモチ焼いてる?」
「えへへ…バレちゃった」
ぺろりと舌を出してひなたが笑う。
坂を下り、公園を曲がり、路地へと入る。
もうすぐ家に着くというところで、再びひなたが言葉を発した。
「もしも…雛ちゃんを殺した犯人が見つかったら、奏ちゃんはどうするの?」



