マットな質感をした、深紅の封筒を開ける。
そこには2枚の便せんと、手のひらサイズの白いカードが入っていた。
まず、順番に1つ目へ視線を落とす。
そこにはこんな言葉が美しい字で書かれていた。
『本日はご来店、まことにありがとうございます。あなた様がこのお店に来てくださったのも何かのご縁…ささやかではありますが、店長より贈り物をさせていただければと思います。』
…書いてある通り、これはこのお店の店長から、お客への手紙らしい。
2枚目の便せんを読む。
『この中からお好きなドールを一体、贈らせていただきます。あなたにとって、素敵な記念となりますように。 店長より』
その下には注文方法が書いてある。
私の住所と名前をカードに書いて、気に入ったドールの手に持たせるだけらしい。
「なにかペンは……あ、これって…」
バスケットのわきに置かれていた万年筆が目に入った。
…これを借りることにしよう。
サラサラと必要事項をカードに書いていく。
不思議なことに、その行為になんの戸惑いもなかった。
ここではこうするのが正解だとさえ思っている自分に、少し驚く。



