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その夜、お父さんが買ってきたお寿司を食べながらのささやかな“ひなた歓迎パーティー”が始まった。
三人で楽しい時間を過ごして、そして順番にお風呂に入る。
普段はあまり飲まない缶ビールを飲んで、一足先に部屋へと戻っていくお父さんを見送った。
「私達もお部屋に行こうか」
ひなたが私の手を握った。
頷いて、部屋への廊下を渡る。
部屋に入ると、ひなたは私に笑いかけた。
「改めて、今日からよろしくね、奏ちゃん」
ひなたの顔を見ていると、やはりあの子を思い出した。
肩までの髪の毛、小さな泣きぼくろ。
私に対して優しく接してくれるところも…。
「___っ…」
頭が痛む。
ズキズキと頭の奥底で鐘を鳴らされているように痛みが広がる。
「奏ちゃん…?大丈夫…?」
ひなたが私に寄り添い、心配してくれていた。
私は「うん…大丈夫」と答えながら頭を押さえる。
「そう…?私にできることがあったら、なんでも言ってね」
「ありがとう、ひなた___」
そのとき。
こんな考えが頭をよぎった。
ひなたなら…協力してくれるかもしれない。
あのことについて___。
私は、小さく口を開いた。
「ひなたに…聞いてもらいたい話があるの」



