「叔母さんが作ってくれる料理より美味しいかも…」
「叔母さん?」
「うん、たまに料理を作りに来てくれるんだ」
だから僅かだけど、ウチの冷蔵庫には食品が入っている。
料理をしないお父さんと私の栄養状態を心配して、叔母さんが買ってきて作ってくれる…というのが我が家の恒例だった。
「そっか、でもこれからは私が作るよ。…あ、エリス様から月々のお小遣いはもらえるから、金銭面も心配しなくていいからね」
ひなたがトーストをかじる。
さっき本人から教えてもらったけど、ドールも人間と同じように食べ物からエネルギーを摂取するらしい。
私はコーンポタージュを一口飲む。
それから、思っていたことをひなたに問いかけた。
「そういえば…ひなたって、これからどこに住むの?お家もエリスさんが決めてあるとか?」
私の言葉にひなたは首を横に振る。
「いいえ、私は今日から奏ちゃんと暮らすのよ」
「…ふぇ…?」
トーストにかじりついたまま、変な声が出た。
今、ひなたはなんて言った?
一緒に暮らすって…?
私と、この家で?
急いでトーストをのみ込み、あたふたと両手を振る。
「え…待って待って!えっと…嬉しいけど、でも私、お父さんになんて説明すればいいか……」



