「ドールは死後、人形に戻りますから…奏様が亡くなられた後は一緒に火葬することも可能です。そのときはわたくしが手配致しましょうね」
その言葉に私は首を傾げた。
私が死ぬ頃、エリスさんは何歳なんだろう。
いや…『友達ドール』なんて不思議な物を作るぐらいだから、年なんて取らないのかもしれない。
私が無理矢理な理由で納得したように頷く。
すると、エリスさんは指先をピースの形にして2を作った。
「次に…ドールの死期は奏様によって変わります」
「えっ…?」
私は思わず声を上げる。
どういうことだろう…。
エリスさんがコホンと咳払いをする。
「この子達ドールの命は、奏様の命と繋げております。つまり、奏様が死ぬとき…その日がまさしくドールの命日にもなるのですわ」
…と、いうことは…。
私が明日死んだら、あの女の子も明日死んで。
逆に私が100歳まで生きたら、あの女の子もそれだけ生きてそばにいてくれる…ということ?
「…本当に、なんていうか…運命共同体って感じなんですね」
「ふふ…運命共同体。そうですね、だって不幸とは一人のときに襲いくるものですから。そして、それを防ぐために『友達ドール』は存在するのです」
エリスさんが微笑む。
ドールの女の子が目を細めた。
「辛いときや悲しいときは、私が奏ちゃんに寄り添うわ。楽しいときはその気持ちが何倍にも膨らむように私にお手伝いさせてね…私達は友達だもの」
私はしばらく彼女から目が離せなかったけれど、エリスさんが指を3本立てたことで、ようやく視線を逸らす。
…すっかり『友達ドール』にみとれてしまっていた。
この子は似てるけど、あの子ではないのに…。
僅かに痛む頭に手をやり、エリスさんの言葉に耳をかたむける。



