友達ドール2

それは高3になった5月のある日。

真夜中、一人きりの部屋で目が覚めた。

眠れない。

あの日からずっと。

ふと、カーテンを開くと満月が目に入った。


「…やって、みようかな」


枕元に転がる一冊の本を手に取る。

気分転換になるかなと図書館で借りてきた本。

不思議なおまじないがたくさん載った内容の中の、一つを開いた。


___『友達ドール』のおまじない。


満月の美しい夜。

友達が欲しいと強く念じながら金平糖を口に含み眠りにつきなさい。

うまくいけば、夢の中にお店が出てきます。

そのお店こそが友達ドール店です。

店長の指示に従って、理想の友達ドールを手に入れましょう。

友達ドールはあなたの友達。

あなただけの友達です。


「………金平糖、どこに置いたっけ」


私は立ち上がり、キッチンへ向かう。

寝ているお父さんを起こさないよう忍び足で。

そして、戸棚の近くに置いてあった金平糖の小瓶を手に取った。


「…友達が、欲しいです」


そう、あの子のような___。


頭が痛む。

最近、あの子のことを考えると頭痛がする。

…なんでだろう?

ベッドへと戻り、小瓶のフタを開ける。

友達が欲しい、友達が欲しい、友達が欲しい。

私は金平糖を口に含んで、願い続けた。