フクロウは森の中では、知恵者で通っている。
森で何か問題ごとがあると、「フクロウさんに聞けば何かしてくれる」というのがこの森の動物たちの口癖だった。
フクロウは日中、ほとんど寝ている。
夜になれば狩りに出かけてしまうし、何より俺たちリスにとって、天敵になる。フクロウと対等に話をするのは、夕方時しかない。
「そろそろ狩りの時間だ。早くここを離れろ。じゃなきゃ俺はお前を食う」
「食えるものなら食ってみろ。俺はでかいぞ」
「違いない。お前はラグビーボールを片手で投げることができる唯一のリスだからな。でも隙をつけば俺でもお前は狩れるだろうよ。お前を食えばしばらく狩りに出なくても良さそうだ。都合がいい」
そうフクロウはいつも俺を脅したが、狩りのターゲットにされたことは一度もなかった。この森の奴らは皆、知能が低い。俺のように多少知能をつけている大物を狙うくらいなら、知能の低い小動物を10匹捕まえる方がずっと効率がいい。



