それから、冬になり。 春になった。 俺も高校生になった。 今日の内容の教科書をつめた鞄を持ち。 まだ新しい、革靴を履き。 この辺じゃ珍しいブレザーを着た自分を鏡で見て。 ―笑った。 あれから無事鴛桑高に受かった。 奇蹟、としか言いようがない。 その隣には翔がいない。 そう― 翔は不合格だった。