◇
ドアを開けて、教室に入る。
すると、私のところに友達が飛び込んできた。
「なーなせちゃんっ! おはよう!」
「うわ、びっくりしたあ……羽衣ちゃん、おはようっ」
この子は、天海 羽衣ちゃん。
小柄で小動物みたいな子で、可愛い。
明るくて優しい、私の大好きな親友だ。
高校で同じクラスになって、すぐに意気投合して仲良くなったんだ。
「ねえ、今日、久遠くんと一緒に学校に来たってほんと!?」
大きな声を出して、私に聞いてくる羽衣ちゃん。
「えっ、う、うん。そうだよ……?」
「うわあ……っ! 七瀬ちゃんに春が来たんだね」
にやり、と、私を見ながら言ってくる羽衣ちゃんに対して、私は大きく首を振った。
「ち、違うよ!? ただ、助けてもらったから一緒に行っただけ!」
「ん? 助けてもらったって何?」
「あっ……え、っと」
不思議そうな顔をしてくるから、言葉がつまった。
ぜったい、心配される……っ!
羽衣ちゃんに聞き倒されるのを覚悟して、私は今日の朝の出来事を話した。

