私が言っても、どこか複雑そうな表情をする宮野さん。
「でも」
「……そうしてよ。それが、せめてもの償いじゃん。お母さんが倒れたのは、あなたのせいでもある」
「……」
「ごめん、もう帰る。お大事にね、お母さん」
「……ええ」
私は、それだけ言って病室を飛び出した。
「……やっぱり、だめか」
「あんなに言わなくてもいいのに……ごめんね、瀬那くん」
「いや、大丈夫。僕こそ、いつも家に帰ってこれないのが悪かったし」
「忙しいんだもの。仕方がないわ」
「……完全に、覚えてないんだね、七瀬」
「……せっかく仲直りしたのに。無理だったの」
「いや、もとはといえば、僕のせいだから。そのせいで、あの子はおかしくなったんだろうね」
「……たしかに、そうかもね。七瀬、あなたに似て演技上手な子になっちゃったし」
「学校で会った時も、笑顔を作っていた。あの子は……」
「七瀬には、本当に申し訳ないわね。どうして、あの子ばっかり辛い出来事にあわないといけないのかしら。私が、代わってあげられたら……っ」
「そういえば『あの人』はどうなったんだい?」
「ああ……わからないわ。でも、完全に今まで通りではない。『あの人』に出会ってからは、本当の七瀬に会えた気がしたけど……今は、また閉じこもっている」
「……はやく、元通りになりますように」
「ええ……っ」
そんな二人の涙を、『変わってしまった私』は知らない。
「でも」
「……そうしてよ。それが、せめてもの償いじゃん。お母さんが倒れたのは、あなたのせいでもある」
「……」
「ごめん、もう帰る。お大事にね、お母さん」
「……ええ」
私は、それだけ言って病室を飛び出した。
「……やっぱり、だめか」
「あんなに言わなくてもいいのに……ごめんね、瀬那くん」
「いや、大丈夫。僕こそ、いつも家に帰ってこれないのが悪かったし」
「忙しいんだもの。仕方がないわ」
「……完全に、覚えてないんだね、七瀬」
「……せっかく仲直りしたのに。無理だったの」
「いや、もとはといえば、僕のせいだから。そのせいで、あの子はおかしくなったんだろうね」
「……たしかに、そうかもね。七瀬、あなたに似て演技上手な子になっちゃったし」
「学校で会った時も、笑顔を作っていた。あの子は……」
「七瀬には、本当に申し訳ないわね。どうして、あの子ばっかり辛い出来事にあわないといけないのかしら。私が、代わってあげられたら……っ」
「そういえば『あの人』はどうなったんだい?」
「ああ……わからないわ。でも、完全に今まで通りではない。『あの人』に出会ってからは、本当の七瀬に会えた気がしたけど……今は、また閉じこもっている」
「……はやく、元通りになりますように」
「ええ……っ」
そんな二人の涙を、『変わってしまった私』は知らない。

