車に乗せてもらって、私は、窓から見える景色をぼーっと眺めていた。
当然、私と宮野さんの間に会話なんてものは無い。
「あの……」
「……どうしました?」
「いや、なんでもない」
宮野さんが、何かを言おうとしては、やめる。
これが、なんども繰り返された。
ふかふかのシートに座りなおして、私は心の中で呟いた。
こんな高級車が買えるほど大金持ちなら、お母さんのこと、助けてあげたらいいのに。
そうしたら、お母さんだって、倒れるなんて事もないんだ。
だから……お母さんが倒れたのは、この人のせいでもある。
車に揺られて、しばらくして。
車が停まった。
車を降りると、大きな病院が目に映った。

