その後も、最寄り駅に着くまで、私を守るように、ずっと近くに立ってくれていたその人。
優しいな……。
駅に着いて、一緒に電車を降りる。
そして、私は、ばっと頭を下げた。
「本当にありがとうございました……! あなたは、私の一生の恩人です!」
「ははっ、頭上げてよ。別に俺、そんな大したことしてないし?」
「いえいえ! すっごく大したことです! あなたがいなかったら、私、どうなってたか……っ」
ぶるり、と体が震える。
想像するだけで、気分が悪くなってきた。
「わかったから。学校行こ? 雨宮 七瀬ちゃん」
……へ?
「な、なんで、私の、名前……っ!」
えっ、初対面だよね?
なんで私の名前知ってるの……?
「だって、雨宮さん有名だもん。誰でも知ってるよ」
「えっ……私、そんなに変なことしましたかね……」
「そういうことじゃないって。学年首席、容姿端麗で、性格も良しだから、有名なんだよ」
あ、そっか……。
テストのとき、トップ10までは、名前が張り出されるもんね……。
それで知ってたのかも。
それに、容姿が整っているのは自覚している。
お母さんは美人だし、お父さんもかなりのイケメンだったらしいから。
そんな二人の遺伝子を持った私も、普通よりも整った顔立ちだ。
でも、私、性格も良し……?
それは、違うような……。
って、あ!
この人の名前、聞いてなかった。
「あの、お名前、聞いてもいいですか……?」
「あ……そうだよな。俺は、久遠 晴斗。2年A組」
「2年……!? てっきり、先輩かと……っ」
身長がすっごく高くて、見上げないと話が出来ないもん!
雰囲気も、大人びてたし……!
「違う、同い年だって。だから、タメでいいよ」
「久遠、くん……わかった」
私がうなずくと、彼―――久遠くんは、私に向かって言った。

