うーん。
すごい申し訳なさそうな顔してんね。
あ、それなら。
「それなら、もっと密着しよ」
俺がそう言うと、彼女は、目を大きく見開いた。
「へっ……」
「そしたら、今よりも濡れないでしょ?」
どっちにもメリットがあると思うんだけど。
彼女にとっては、二人とも濡れないから申し訳ない気持ちがなくなる。
俺にとっては近づける口実になるし、何よりドキドキしてもらえそうじゃん?
だから、いいと思って。
どうしたらいいか困っているような彼女の手ではなく、代わりに袖をひっぱる。
すると、彼女は俺の肩に向かって倒れてきた。
「ね、これならいいでしょ」
「う、うん……っ」
黙ってしまった彼女の様子を横目で見て、俺は少しだけ反省する。
急に引っ張るは流石によくなかったか。
ごめんね、と言おうと思って彼女の顔を見る。
俺は、そんな彼女の顔を見て言葉を失った。

