何度でもキミだけを好きになる。

「───おい」




低い声が、車両の中に響いた。



私に痴漢してきていた男が、ひっ、と、声をもらす。




その声は、高校生のものだった。




私と、同じ制服……。


同じ、学校の人?





「あんた、何してんの? 俺、ちゃんと動画撮ってたから。あんたを警察に連れてくことだって、俺はできるよ?」





ひらひらとスマホを片手に、そう言う人。


それを見て、男の人は小さく舌打ちをした。





「……っ、くそっ」




電車のドアが開いた瞬間、ぱっと外に行く。




「っ、おい、待て!!」



彼が、そう叫ぶ。


そのまま、追いかけようとした。



その人の服の裾を、そっとつまんで、声を出す。





「あ、あのっ!」





私が声をかけると、彼は、私の方を振り返った。




「私は、大丈夫なので……それに、追いかけてたら、遅刻しちゃうので、追いかけなくていいです」



「……でも」



「ほんと、大丈夫なので! 助けてくれて、ありがとうございました……っ」




震える声で、そう言う。


すると、彼は少しだけ、表情を曇らせた。



でも、その後、見間違いだったかと思うぐらいの一瞬で、にこっと笑顔で笑った。




「どういたしまして」





その笑顔が、とても綺麗だった。



うわあ……この人、すっごくイケメンだ……っ。




整った顔のパーツ。



少しだけウェーブのかかった、茶髪と、綺麗な瞳。




誰もが口をそろえて言うような、イケメンさんだった。