何度でもキミだけを好きになる。

「あー、生徒はあんまり知らない情報なんだけど。あんまり口外しないでもらえるかしら?」


「もちろんです」


「ありがとう。雨宮さん、実は今年の春休みに交通事故に遭ってるのよね」


「……」


「そのとき、頭を強打しちゃったらしくて。それの影響で、頭は絶対にぶつけたらダメって言われているのよ」


「そう、なんですか」


「だから、久遠くんが助けてくれて本当に助かったわ。ありがとう」


「いや。俺は、当たり前のことしただけですし。この子のこと助けれて、ほんとによかったです」




俺は、正直な気持ちで、先生にはっきりと伝える。




頭は、絶対にぶつけさせない。


そう、心に誓った。





「そういえばなんだけど。なんで、雨宮さんの事を名前で呼ばないの?」


「え」


「ほら、さっきから『この子』って呼ぶから。なんで、名前で呼ばないんだろうなー、って」






あー……無意識だったかも。


本人の前では、ナナちゃんって呼んでいる俺。



でも、心の中では、絶対にナナちゃん、なんて呼ばない。





「俺、この子の前では『ナナちゃん』って呼んでるんです。でも―――」




言葉を区切ってから、先生に少しだけ笑いながら言う。







「―――――ほんとはナナちゃん、って呼ぶの、嫌だからですかね」