何度でもキミだけを好きになる。

「思い出したんだけどさ、雨宮さんって、2年になってから、断り方変わったらしいぜ」


「……へえ?」


「たしか……『ごめんなさい、誰かと付き合うとかあんまり考えられなくて』ってなったらしいぞ」




彼氏がいるから、じゃなくなったんだ。


俺はそれを聞いて、言葉が出なくなる。




「だから、別れたんじゃないかって、噂になってたんだ。だから、今はチャンスかもよ、晴斗」


「……そーだね」


「なに、テンション低くね? いやー、でも雨宮さんと付き合ってたやつって誰だったんだろ!」




唯は、女みたいに、きゃー、と言いながら想像している。




「学校じゃそんな様子ないし、たぶん他校の人だろ? 雨宮さんと付き合うんだから、たぶんすげえイケメンとかなんだろうな」


「たぶんなー」


「彼氏が振ったのかな? いや、そんなわけないか。雨宮さんが振ったんだろうなー」




唯の想像に呆れてしまう。


ぜんぜん違うし。



「って、やべ! 次は移動教室だってさ! 早く行こうぜ!」


「あー、俺まだ準備できてないし先行ってていいよ」


「そうか? なら先行っとくな! 遅れないようにしろよー!」


「わかってるって」




荷物を持って、行ってしまう唯の後ろ姿を見て、俺はぼそっと呟く。


唯の予想の、答え合わせ。



「……あの子は、振ったわけでもないし、振られたわけでもないよ」




なんて、言ったところで、もう唯はいないから意味ないけど。