仕方ないじゃん。




あぁ、君、敬語くん。

私、思い出しちゃったよ?

君の正体。



「ねえ?君さ、伊東那岐くんでしょ。伊東財閥の。こんなところにいていいのー?君のお父様よく言ってるよ、ダメ息子が家に帰ってこないって」



ハッとまるでそれを言われると思ってなかったというような顔。

あぁ、おもしろい。

どうして人の驚いた顔はこんなにもおもしろいのだろう。



「どこでそれを知ったの?」



この時、初めて黒髪くんは、藍色の瞳の君は言葉を発した。

この人きっと、穏やかな人だ。

雰囲気が少し和らぐような気がする。



「どうしてでしょうね?交換条件でもする?私はお姫様についてと君たちは那岐くんを知っている理由、でどう?」



「先に言え」



そんなに警戒されてるのね、私。

こんな形でも、注目を集めることができていることにほっとしている私を殺したくなる。

感じる、4人からの気配を、視線を。