月曜日。始業時間の十分前。出勤する人の流れに乗り、会社に入る。
慣れた手つきで靴箱を開けて上靴に履き替える。
もう何十回この動作を繰り返しただろう。今の私なら目を瞑っても履き替えできそうだ。
すらすらと三階の事務所に向かって階段を登る。
いつも通りの景色。いつも通りのルーチンワーク。
これから一週間、また仕事漬けの毎日が始まる。
仕事が嫌ってわけじゃないんだけど。でも、何だか物足りない。
はーあ。何か特別なことでも起こったりしないかな?
なーんてことを考えてみる。そんなこと起こるわけないってわかっているんだけどさ。
最初は少しきつかった三階までの階段も毎日登っていればへっちゃらだ。
ロッカーでデスクに持っていく荷物を整理して、始業時間の五分前に出勤のポスを押す。
よし、ここまで順調だ。さて、今日もこれから働きますか。
パソコンの時計が九時を表示する。朝礼が始まる時間だ。
「みなさん、おはようございます」
朝礼担当の隣に見慣れない男の人が一人、立っていた。
あんな人私の会社にいたっけ?
どこかで見たことあるような気がするんだけど……。
だめだ。全然思い出せない。
「それでは今日から一週間、研修で来た社員を紹介します」
隣にいた見知らぬ男の人が口を開いた。
「初めまして。札幌支社から来ました仙崎と申します」
フッとどこからか爽やかな風が舞い込んできたのかと思った。
「本社に来るのは始めてでわからないことも多いですが、一週間よろしくお願いいたします」
仙崎さんの短い挨拶が終わるとどこからともなく拍手が巻き起こった。
ハキハキとしたよく通る声が私の耳にもしっかりと届く。
時間にしたらほんの一瞬のわずかな時間。
それでもこの瞬間を私はずっと忘れない。そんな予感がした。
慣れた手つきで靴箱を開けて上靴に履き替える。
もう何十回この動作を繰り返しただろう。今の私なら目を瞑っても履き替えできそうだ。
すらすらと三階の事務所に向かって階段を登る。
いつも通りの景色。いつも通りのルーチンワーク。
これから一週間、また仕事漬けの毎日が始まる。
仕事が嫌ってわけじゃないんだけど。でも、何だか物足りない。
はーあ。何か特別なことでも起こったりしないかな?
なーんてことを考えてみる。そんなこと起こるわけないってわかっているんだけどさ。
最初は少しきつかった三階までの階段も毎日登っていればへっちゃらだ。
ロッカーでデスクに持っていく荷物を整理して、始業時間の五分前に出勤のポスを押す。
よし、ここまで順調だ。さて、今日もこれから働きますか。
パソコンの時計が九時を表示する。朝礼が始まる時間だ。
「みなさん、おはようございます」
朝礼担当の隣に見慣れない男の人が一人、立っていた。
あんな人私の会社にいたっけ?
どこかで見たことあるような気がするんだけど……。
だめだ。全然思い出せない。
「それでは今日から一週間、研修で来た社員を紹介します」
隣にいた見知らぬ男の人が口を開いた。
「初めまして。札幌支社から来ました仙崎と申します」
フッとどこからか爽やかな風が舞い込んできたのかと思った。
「本社に来るのは始めてでわからないことも多いですが、一週間よろしくお願いいたします」
仙崎さんの短い挨拶が終わるとどこからともなく拍手が巻き起こった。
ハキハキとしたよく通る声が私の耳にもしっかりと届く。
時間にしたらほんの一瞬のわずかな時間。
それでもこの瞬間を私はずっと忘れない。そんな予感がした。



