「よし、1件目は終わったな。次は薬物の取引が起こりやすい場所の見回りだ。」
心さんのことですから、責め立てると思っていましたが何事もなかったかのように接してくれています。
「私に……聞かないんですか……?」
「お前……さっきの女に助けを求められたんだろう?遠くから見てても分かった。それに、そう仕向けるために今日お前を連れてきたんだ。」
「どうしてですか……?私がお遣いを頼まれた時、心さんは私のことを責めていましたよね。今は、どうして私を待ってくれるんですか?」
「正直、お前を利用しようとすることに関しては許さねえよ。でも、それは俺の考え方、価値観だ。それをお前に押し付けるのは違うだろう?お前がどうしたいのか、それをお前の言いたいタイミングで言えばいい。運び屋に失敗したときから、いつか天に火の粉が飛ぶことは予想していた。助けるなんて言えたもんじゃないが、何もできないわけじゃない。利用されたこと、助けを求められたこと。お前の中でどっちの感情を選択するのか、選べばいい。」
「分からないんです……前の私だったら、間違いなく助けることを選んでいました。でも……正直もう関わりたくない自分もいます。由美子さんに恨みがあるとか、そういうのではないんです。心さんに連れてきていただいて、やっと気づいたんです。私は今までずっと利用をされていたんだと……。そして、また再び利用されそうになっているんだと。心さんにご迷惑をおかけしたくないです。由美子さん、8,000万円の借金を背負っていると仰っていました。とても大変な思いをしている……助けたい。そう思う気持ちと彼女は今までやってきたことの報いを受けるべきだと歪んだ感情が私の中で膨れ上がっていきます。」
「助けるっていうのは、借金をチャラにするってことか?闇金相手だと少し面倒なんだがな……。」
「心さんだったら、どうしますか…?例えば、光さんが困っていて自分に助けを求めてきたら……どんな返事をしますか?」
「まあ、設定として稀有な例だが……お前の責任ならきちんと自分でケジメをつけろっていうだろうな。」
思っていた通り、厳しい言葉が返ってきました。これがヤクザという世界なんでしょうか。
「だが、光が見ていないところで少しでも解決できないか動くとは思う。助け方っていうのは種類がある。一緒に背負う場合、肩代わりする場合、見えないところで手を貸して気を遣わせない場合。光みたいに人の手を借りるのが好きじゃないようなタイプの人間は、本人が気づかないように助けるのが一番だと俺は思う。」
心さんに言われるまで、気が付きませんでした。私の中では、助けるか助けないか……この二択しかありませんでしたが、助けるという選択肢には、いくつもの答えがあるんですね。
由美子さんを助けたい自分。利用され助けるのを拒む自分。もう、関係を断ちたいと思う自分。
「助けるなんて、立派なことは私にはできないかもしれません……。でも、由美子さんとの過去を乗り越えるために、悔いのない選択をしたいです。」
「俺の方でもいくらか動いてみる。お前は、由美子に言いたいことを考えておけ。」
心さんのことですから、責め立てると思っていましたが何事もなかったかのように接してくれています。
「私に……聞かないんですか……?」
「お前……さっきの女に助けを求められたんだろう?遠くから見てても分かった。それに、そう仕向けるために今日お前を連れてきたんだ。」
「どうしてですか……?私がお遣いを頼まれた時、心さんは私のことを責めていましたよね。今は、どうして私を待ってくれるんですか?」
「正直、お前を利用しようとすることに関しては許さねえよ。でも、それは俺の考え方、価値観だ。それをお前に押し付けるのは違うだろう?お前がどうしたいのか、それをお前の言いたいタイミングで言えばいい。運び屋に失敗したときから、いつか天に火の粉が飛ぶことは予想していた。助けるなんて言えたもんじゃないが、何もできないわけじゃない。利用されたこと、助けを求められたこと。お前の中でどっちの感情を選択するのか、選べばいい。」
「分からないんです……前の私だったら、間違いなく助けることを選んでいました。でも……正直もう関わりたくない自分もいます。由美子さんに恨みがあるとか、そういうのではないんです。心さんに連れてきていただいて、やっと気づいたんです。私は今までずっと利用をされていたんだと……。そして、また再び利用されそうになっているんだと。心さんにご迷惑をおかけしたくないです。由美子さん、8,000万円の借金を背負っていると仰っていました。とても大変な思いをしている……助けたい。そう思う気持ちと彼女は今までやってきたことの報いを受けるべきだと歪んだ感情が私の中で膨れ上がっていきます。」
「助けるっていうのは、借金をチャラにするってことか?闇金相手だと少し面倒なんだがな……。」
「心さんだったら、どうしますか…?例えば、光さんが困っていて自分に助けを求めてきたら……どんな返事をしますか?」
「まあ、設定として稀有な例だが……お前の責任ならきちんと自分でケジメをつけろっていうだろうな。」
思っていた通り、厳しい言葉が返ってきました。これがヤクザという世界なんでしょうか。
「だが、光が見ていないところで少しでも解決できないか動くとは思う。助け方っていうのは種類がある。一緒に背負う場合、肩代わりする場合、見えないところで手を貸して気を遣わせない場合。光みたいに人の手を借りるのが好きじゃないようなタイプの人間は、本人が気づかないように助けるのが一番だと俺は思う。」
心さんに言われるまで、気が付きませんでした。私の中では、助けるか助けないか……この二択しかありませんでしたが、助けるという選択肢には、いくつもの答えがあるんですね。
由美子さんを助けたい自分。利用され助けるのを拒む自分。もう、関係を断ちたいと思う自分。
「助けるなんて、立派なことは私にはできないかもしれません……。でも、由美子さんとの過去を乗り越えるために、悔いのない選択をしたいです。」
「俺の方でもいくらか動いてみる。お前は、由美子に言いたいことを考えておけ。」
