天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

叔父貴さんと心さんが部屋に入ってから3時間。一体、何を話しているんでしょうか。叔父貴さんの目……私のことを嫌っているように感じました。


「姐さん、どうかしたんすか?」
「私……ここに相応しくないのかなって……。」

「そんなことないっすよ!姐さんと若はお似合いですし、俺、姐さんのこと大好きなんすよ!」



心さんが責められてないといいですけど……イクトくんのこともありましたし、言動には気を付けないといけませんね。



「天、これから見回り行くぞ。」



話し合いが終わったのか部屋から出てきた心さんの言葉に驚きました。見回り……心さんのお仕事を近くで見られるんですね。


「はい、今準備しますね。」



叔父貴の鷹也さんは部屋を出てから私の方を見向きもせず、去っていってしまいました。ヤクザの方というのは、難しいものですね。




「天、助手席に乗れ。」
「はい。」



きっと表に不安を出したら、心さんに迷惑をかけてしまいますね……。しっかりしなくては。




「まずはどちらから行くんですか?」
「キャバクラだな。最近は店も減ってはいるが、冠木町はなかなか治安が悪い。それと……」




そこまで言うと言葉を濁す心さん。何か言いづらいことがあるのでしょうか?






「先に伝えておくが、お前の大学の学生が働いていると聞いた。一応、身辺調査はしたが……おそらくお前に運び屋を任せようとした女だ。」





運び屋……あの日から、私の全ては変わってしまいました。心さんと出会い、親しくする友人はもう京子さんだけです。久しぶりの挨拶をするべきでしょうか……でも、騙されていたのだと思うと、少し複雑な気持ちに襲われます。




「お前のことは婚約者と紹介する。きっと、群がって仲良くしようとするやつもいるが、決して相手に揺さぶられるな。人は自分に都合のいい人間を見つけると、利用しようとする。」

「はい……友人であっても、私は亜魔野組の婚約者であることを忘れません。」




「だいぶ、肝が据わるようになったな。」