天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

「いきなり来るなんて珍しいですね。まさか、天を見に来たんですか?」

「ああ、それもあるが俺も一応この組の人間だからな。それにしても、あんな女どこで拾ったんだ?こっちの世界には相応しくない人間だぞ。」


「彼女は……元愛人です。」

「女なんてめんどくせえんだから、体だけの関係の方が楽だろ?ヤクザは堅気の人間と結ばれない。それに、普通の人間らしくない。もっと欲が向きだしている女の方が楽だ。まるで、私は善い人間ですよ……そんな雰囲気を感じた。」



「相変わらず叔父貴とは考えが似てますね。俺も最初は彼女を偽善者だと言いましたよ。人のためと言って、優しさを押し付けようとする女だと思ってました。でも、彼女の優しさは本物ですよ。」


「別に、優しさが悪いってわけじゃない。ただ、彼女が亜魔野組の足を引っ張らないかどうかってだけだ。先日、逢魔のところともめたんだろ?あの女が逢魔の若頭を刺したって聞いたぞ。これからもこの間みたいなことをされると厄介ごとに巻き込まれる。」


「彼女にはもう、余計なことはさせませんよ。俺が守ります。」

「心……お前。いつからそんな生ぬるいこと言うようになったんだ?義理と人情は大事だが、仲良しこよしがヤクザと思ったら大間違いだ。いざとなったら、どんなことでも組のためにできるか……?」