天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

「心、しばらく見ない間に大きくなったな。組の方も纏まっていて安心したぞ。」
「ありがとうございます。」

「あの女の子はどこで出会ったんだ?善い子そうだが、ちょっと気になってな。」
「天のことでしょうか?」

「たしかにいい子だが、さすがに少し気味が悪くてな……人間1つや2つは悪いところがあるものだ。しかし、あの子からはそれが感じられなかった。心、分かるか……?無垢で綺麗なものほど、恐ろしいものはないんだ。」

「俺も最初は疑いました……優しさを武器にする偽善者だと罵ったこともあります。ですが、彼女の優しさは本物です。先日の逢魔組との抗争について、どこまで聞いてますか?」


「逢魔の所の若頭がうちの組を陥れようとした。それで殺し合いがあったと聞いている。」

「その抗争の火種になったのが、彼女です。逢魔組の若頭が天の身内であり、天を取り込もうとした。今まで優しさを尽くしてきた天で
したが、大切な女性をその身内に奪われた。そして、怒りに任せ短刀で襲い刺し殺そうとしました。」

「あの子がやったのか……?あんな細い腕で。」

「彼女のことについて、細かく報告できておらずすみません。でも、彼女は脅威ではありません。彼女の優しさは強さであり武器となる。」
「私に何を言わせたい……?」


「天との関係をどうか認めていただきたい。」

「……仕方ないな。彼女の見てくれだけに囚われて見抜けないとは、私もまだまだ半人前のようだ。逢魔の件については目を瞑るが、これから組を本格的に受け継ぐのであれば、もう面倒な騒ぎを起こすんじゃない。お前や組の奴らだけじゃなく、彼女もだ。それを守れるか……?」


「分かっています……俺の代で組を滅ぼすようなことはしません。」