天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

「愛人は作らないんじゃなかったっけ?」
「俺が女を気に入っちゃ悪いか?」

「いや、心にしては、随分間抜けな子を連れて来たなと思って。」


そうだ。随分と間抜けな奴だ。この書類が2枚重なっていて、本当の契約内容に気がつかないなんて。



「まあ、白くて穢れの無い子ほど染め上げるのが楽しいからいいんだけどね。でも、あの子いつ気づくかな…?」

俺らの本当の契約書の役割は次の3つ。いかなる場合においても俺と光の性的欲求を満たすこと、契約金は10億であり完済は不可だということ、組の言うことは何でも聞き裏切らないこと。



「いや、気づかねえだろうな。」

「楽しそうだね。」


「ククク……あいつの歪む顔が早く見たいもんだ。嘘だらけのこの世界で偽善を行う自分に気づいたときの絶望した顔がな。」




「そうだね……どれだけもつかな……?」




手使天…お前はこの組に関わったことをいつか後悔するだろう。誰のことも信じられなくなるほど壊してやる。