天使と悪魔～私、ヤクザの愛人になりました～

「ヤクザ……って何ですか？」

「心、この子大丈夫？」
「多分な。何も知らねえほうが生きていきやすいだろ。」

「とりあえず、ここに署名してね。君の役割は心や僕の愛人でいること。必要に迫られれば何でもすること、決して亜魔野組を裏切るようなことはしないこと。」

「それだけ…ですか…？」


「うん。それだけ守ってくれれば大学に行ってもらっても構わないし、特に拘束はしない。」


それだけなら…私にもできるかもしれない。



そう思い署名をした。



「じゃあ、今日はこれで大丈夫だから。駅まで送らせるよ。」


苑神さんが入り口付近に立っている男の人たちに私を見送るよう伝えています。



「じゃあ、これからよろしくね。手使天ちゃん……？」





この時私は気が付かなかった。苑神さんが浮かべていた不気味な笑みに。