天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

今日は施設でボランティア……天のボディーガードになってから初めての学外での護衛。大学にいる間は安全だと思っていた。警備員がいるとか関係者は入れないっていうのもあるけど、明らかに組の人間の見た目をしていればすぐに気づけるから。


「京子さん、何かありましたか?」


私の表情1つで天を不安にさせるわけにはいかない。



「いや、ちょっと考え事してた。ちょっと裏にゴミ出しに行ってくる。天はここにいて。少し離れるけどすぐ戻る。」


ボディガード、従弟との再会、学外の護衛。不安になってる場合じゃないのは分かってる。


武道ができるから天の傍にいられるけど、私ごときの能力で天を守れるなんて思えない。


「ニャー」


ゴミを片付けていると、影から仔猫が出てきた。動物はいいな、こんなに頭を悩ませることもないんだろう。




バチバチッ



異音に振り返ると私の身体に電流が走った。



もしかしてスタンガンか……?



「兄貴、この女すか?」





薄れゆく意識の中、男が私の顔を見て何かを言っている。



「違う、この女じゃない。黒髪の女だ。中を探せ。」



黒髪の女……?まさか、天を探しているのか……?まずい、兄貴に電話しないと……




ポケットからスマホを出そうとしたと同時に。目の前が真っ暗になった。