天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

苑神さんが蹴破った扉の向こうでは、亜魔野さんと京子さんが睨み合っていました。苑神さんの方を見て驚く京子さん。やっぱり2人は兄妹……。



「心、待ってくれ。」
「お前は見回りに行ってくるんじゃなかったのか?この女は天の友達で今取り込み中だ。」


「……そう。邪魔して悪かった。話を続けてくれ。」


そういうと苑神さんは扉を閉めてしまいました。


「どう……して…?」
「いくら兄妹だとはいえ、ヤクザに私情は持ち込めない。それに……睨み合ってはいたけど心が殴ったりしてなきゃそれでいい。」


表情には出さないけれど安堵しているように感じました。京子さんは無事ならよかったです。

「だけどややこしいことになるかもな。心は俺が家を捨てて組入りしたことは知ってるけど京子のことを知ってるわけじゃない。京子にこれ以上関わってほしくないが、ただでは引き返してくれないだろう。」


「私から……縁を切るように言います。」
「いや……できれば切ってほしくはない。お前が関わる以上悪い噂を立てられるのは面倒だし友達……なんだろ?それに、あいつをお前のボディガードにする。あいつはああ見えて空手は黒帯、剣道4段、合気道は弐段だ。下っ端をお前につけるよりよっぽど役立つ。」


「私にそこまでする価値があるんですか?京子さんを危険な目に遭わせるかもしれないのに。」


「京子は、俺が組入りしたことを唯一知ってる人間だ。それに京子はお前がこっちの世界に入ったことを望んではいない。でもそれくらいのやつがお前の傍にいる方が、お前が危険な目に遭う可能性は減る。ごく一般の大学生として生きるんだ。心の愛人となりながら。」


「分かりました。私は…私の役目を果たします。」