天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

急いで大学に戻るともう12時を過ぎていました。



結局2限の授業受けられなかったな……


「おはよう、天使。」
「京子さん……。」

「あれ、天使も今登校?珍しいね、遅刻するなんて。それより他の皆は?」


「皆に…嫌われてしまいました……。昨日お遣いをちゃんと出来なかったから。」
「あ~、零の店にってやつだっけ?」



「京子さんは…なんで私と一緒にいてくださるのですか…?ある人に言われました。私はパシリだと……運び屋をさせられていると……。京子さんもそういう目的で私に優しくしてくれていたんですか…?」
「え、ちょっと待って、運び屋ってどういうこと!?たしかに天使はいい子で、甘えて授業さぼったこともあったけど運び屋なんて私知らないよ。誰がそんなこと言ったの!?」

「知らなかったのですか…?」
「知らないよ!誰が運び屋やってるの!?」

「それは……」
「由美子たち…?」
「はい…。」


「でも、そんなヤバいことだなんて思わなかったし気にもしなかったけど……。」
「零のお店では麻薬売買やカジノが行われているそうです。私は受け取ってほしいものがあると言われました。おそらく…」

「麻薬……。でも何でそんなこと天使が…?」
「昨日、冠木町に行ったときヤクザの人に会いました。その人に零の店の件に関しても言われました。」
「ヤクザって……あんた何したの!?どこの組!?」

「駅の前にいたホームレスの方々に私がお金を渡そうとしたとき偶然会いました。亜魔野組だと言っていました」
「なにもされてないよね……?」


「私……愛人になりました。」
「愛人って……なんで…?」

「ホームレスの方々の所馬代を肩代わりすることになったからです。それに零の店の件も片付けてくださると…。」
「あんた、なんで私に何も相談しなかったの!?もしかして私が昨日の夜メールしたときって…。」

「もう…愛人の契約をしたときでした。」
「はあ……私のせいだ……。私が気づいてあげられてれば……。」
「京子さんは悪くありません!自分を責めないでください。」


「私のせいだよ…私が由美子たちを紹介したから……もっと話を聞いていれば……天使にとって頼れる友達でいられれば……。」
「私なら大丈夫ですから。」

「その契約書ってどこにあるの?」
「たぶん組の事務所かと……。」


「一緒に取り返しに行こう。天使まで関わらなきゃいけない世界じゃないんだから。」