天使と悪魔～私、ヤクザの愛人になりました～

「まだ痛むか…？」


行為が終わり服を着ていると、亜魔野さんが私に声をかけた。


こんなこと……好きでもない人とするとは思わなかった。まだアソコが痛い。


でも……気持ちよかったことにも変わりはない。



「大丈夫です。」
「いいか、俺以外とは絶対にこういうことするなよ。」

「しませんよ。そもそもそんな相手いませんから。」



「お前、スマホ貸せ。」
「え…？」



私が亜魔野さんの言葉に困っていると鞄から私のスマホを出されました。


「何…するんですか……？」
「俺の番号とアドレスを入れておく。これからは直接連絡をするからな。」




そっか……これからもこういうことをするんだ。私のすべてはこの人に支配されていき自由は無くなる。



「お前、女ならもっと金かけろよ。」
「別にいいじゃないですか、そのままでも。」


「お前は俺の愛人だからな。それなりの身なりをしてもらわないと困る。」
「でも……。」


「困った奴らのために差し出す金はあっても、自分のために使う金は無いってか……？普通逆だろ。」



きっと私の心の中の闇はこの人にも…誰にも…伝わらない。



「私には……幸せになる資格はないですから。」
「んなもん知ったこっちゃねえ。服も鞄も靴も俺が買ってやる。別にお前を幸せにするためじゃねえ。組のためだ。」



「亜魔野さんのため……それなら…。」



私のためじゃない、この人のためなら罪悪感を感じないで済むかもしれません。


「それと今日からお前には俺の家で暮らしてもらう。」
「え…？」


「俺の愛人だってことを自覚させるためだ。それにお前を部下や会長に紹介する必要もある。」
「そんな、勝手な……。」



「安心しろ、お前の荷物はもうまとめてうちの屋敷に送ってある。住所は後で連絡する。安心して学校に戻れ。」



なんて勝手な人たちなんだろう。





いや、違う。私がこの道を自分で選んだんだ。これは愛人になったことの代償。



「分かりました……。」