天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

「大地くん……包帯を変える時間ですよ。」
「ありがとうございます、俺が怪我なんてしなければ姐さんも若たちと一緒に四霊組へ行けたのに……。」


「大地くんのことがあるから残ると決めましたが、本当は抗争が怖いんです。いってらっしゃいと言って、帰ってこないかもしれない……その瞬間が怖いんです。だから、大地くんの看病を理由にここで待つことを決めました。」


カラン 


突然聞こえた金蔵のような音。大地くんにも聞こえていたようで、2人で身を寄せ合います。


ガシャン 


突然窓ガラスが破られました。粉々にすると体格のいい男性が次々と入ってきます。


「あれだけ規模がでかい組なのにいるのは女だけか……まあいい、用があるのはそっちの男だ。」
「あなたがたが四霊組の方ですか?大地くんをあなたがたには渡しませんよ。」


「嬢ちゃん、痛い目に遭いたくないだろ?下がってろ。」
「私は嬢ちゃんなんかじゃありません……亜魔野組若頭、亜魔野心の妻です。大地くんを奪うというのであれば、私を倒してからです。」


「う~ん……威勢のいい女は嫌いじゃないが、なにか勘違いしていないかい?」
「勘違い……?」


「俺たちは大地を迎えに来たんじゃない。始末しに来たんだ。四霊の跡継ぎにならないなら、そいつはゴミクズ同然むしろ四霊組の恥になる。」



袂からドスを出し構えます。大地くんはもう、四霊組の跡継ぎとして認識されていません……そうなれば、始末をしないと邪魔になる……なんてひどい話でしょう。私ではこの方々に敵うわけがない。そんなことは承知の上です。私はただ、亜魔野組の姐さんとして……心さんの妻として家族を守りたい……。


それだけです。



「言っても分からないんじゃ、分からせるしかないな。おら、嬢ちゃん、相手してやんよ。」



パイプが振りかざされ精いっぱいよけます。ドスでは距離を詰めないと太刀打ちできません……。



「きゃ……!」



「おっと、強く殴っちゃったかな?でも仕方ないよな?大人しくしてない女には分からせてやらないと。」

「やめろ!!」