天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

心さんに抱かれた後、黒の着物へと着替えました。袂にはドスを仕込み、気合が入ります。


「車に乗って各車配置に着け。これから四霊の領域まで向かうぞ。」


今までに見たことの無いほどの数の車がエンジンをふかせます。今夜のことはきっと一生忘れられないでしょう。たくさんの血が流れ……どれだけの屍が重なるのか……



「今、四霊組の敷地内にスパイが入り込んだ。無線で様子を伺おう。」



作戦はこうです。スパイの方々が四霊組の敷地に入った後、舎弟の皆さんは敷地を囲うように体制につき中からの合図を待ちます。合図と同時に奇襲をかける……四霊組が逢魔組にしたことを今度は私たちがするのです。



「合図が来たら全てが始まる。天は家で大地と待機だ。乗り込み四霊がどう出てくるか分からないが、殺し合いが始まる確率の方が高い。奴らが話し合いを受け入れるとは思えない。だが、大地のこともあるから交渉がないとも思えない。」



つまり、どのような結果になるのか分からないということです。大地くんを生贄になんてさせません。でも、大地くんは私にだけ言いました。



「もし、姐さんの身が危険にさらされるようなことになったら、俺は四霊組に行きます。姐さんのことは絶対に守りたいんす。だからそのために、四霊の跡継ぎになります。」


どうしてこんなに残酷なんでしょう……何かを犠牲にしないと幸せが訪れないというのなら、神様はとてもいじわるです。


「天、そんなに心配するな。亜魔野組は簡単に潰れるようなやわな奴らじゃない。10人が乗り込んだとしても、7人は帰ってくる。組のために人生を懸けられるんだ。あいつらにとっては意味のあることだ。」

「私は……私にできることは祈ることのみです。亜魔野組が負けないということ……そして、四霊を必ず潰すことです。」