天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

「心愛ちゃん……いつから俺が組の人間って分かったんすか」

「そうだな~、雰囲気もあるけど、似てたんだよね……大地くんの仕草とパパの仕草が。だから、もしかして隠し子なのかもって……そして、亜魔野組が拾った捨て子が大地くんだったら、全部話の辻褄が合うって思ったんだよ♡さあ、どうする?亜魔野組を裏切って四霊組に来る?それとも、戦争を始める……?すべては大地くんの一言で決まるんだ♡」


俺の答えなんて最初から決まっている。亜魔野組を裏切るだなんてことは絶対にできない。入りたかった組……俺の全てだ。でも、俺がそれを諦めて四霊組に入らなければ大規模な抗争が起こる。



俺の選択肢が……犠牲者の数を決める……。



「亜魔野組にいたら、そんなに愛着が湧いちゃったの?四霊組に戻ればお金もオンナも何もかも手に入るのよ♡」

「俺は……俺は……。」



目を閉じると姐さんの顔が浮かぶ。毎朝賑やかなキッチン、組の奴らと受けた光さんとの訓練。俺の中に大事な思い出が詰まってる。絶対に壊させない。何があっても俺は、亜魔野組のヤクザとして、廃ることはしない。




「俺の答えは……組の戦争だ!!四霊組なんかに行ってたまるか……!俺が誇る亜魔野組は何があっても、堅気の人間を守り通す。俺はカッコいいヤクザとしてこれからも生きていく。嫌なら今すぐ俺を殺せ。そして四霊のパパにでも合わせてみろ。」



俺の言葉と同時に銃声に襲われた。すぐに机を倒し簡易的な盾を作るが、いつまで持つか……



俺はこれで死ぬんだ。




でも、俺、ちゃんと亜魔野組のヤクザとして全うしましたよね……俺、亜魔野組のメンツを守れたしたよね……?






俺はもうここで死んでも、亜魔野組が必ず仇を取ってくれる。そう、信じていいですよね?













「おい、何を殺された気になっているんだ?」






その言葉でハッとすると既に銃声音は全て消えていた。それに今の声は心愛ちゃんの声じゃない…聞き覚えのある……





「おい、大地、助けに来てやったんだぞ。お前も参戦しろ。まあ、ここにいた連中はみんな打ち倒したがな。」
「光さん……。」





「大地くん……たくさんの血が出ています!すぐに手当てしないと……。」



「皆……俺を助けに来てくれたんすか……?」

「当然だ。お前は亜魔野組の一員、そして四霊組に行くことなどないと信じていた。これから起こる戦争はなるべくして起こるものだ。大地のせいじゃない。お前は亜魔野組として正しい選択をしたんだ。今から守るのは組だけではなく、冠木町の全てだ。四霊組を必ず滅ぼすぞ。」