天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~

―???—

「会長、ビラ配りが終わりましたが、本当に亜魔野組が現れるんでしょうか?」

「なに、向こうも馬鹿じゃない。自分たちの領域で悪さをする奴らがいれば、動き出すに決まっている。」


「ビラを渡した相手はこちらでも全員確認しましたが、組の人間の可能性がある人物はいませんでした。将来、こっちの道に入りそうなのはいましたが、不良の端くれといったところでしょう。」


「おお、そうか。お前には言ってなかったな。私には最愛のせがれがいるんだよ。昔愛人に産ませたんだが夜逃げしてな……母親はとっ捕まえたが、赤ん坊は既に人の手に渡っていた。」

「亜魔野組は会長のご子息を匿っていると…?」



「いや、組の下っ端はもちろん上層部も知らないだろう。当の本人でさえ、四霊組の跡取りだなんて思ってもいないはずだ。大地をどこまでも駆けることができるように……そう、名付けた。後で動画を私に見せなさい。せがれがいれば、教えてあげよう。うちの組に引き抜くからな。」