天使と悪魔~私、ヤクザの愛人になりました~


普段めったに連絡をよこさない叔父貴から突然組に来ると連絡があった。叔父貴には天の身内や知り合いの護衛を頼んではいたが、今までは大した報告はなかった。


「いやー、しばらく来ない間に組が賑やかになったな。楽しい家族ごっこができていいね。」



叔父貴が明るく振る舞うとき、ロクなことが起きない。今回の報告はどれだけのことが起きたんだ……?


「俺の部屋ですから、その愛想笑いは終わりにしてください。何かがあったから来たんですよね?」
「……そうだよ。前に逢魔ともめたって言ってたろ?その逢魔が四霊組に潰された。なんでも、夜中の奇襲で組に押し入り皆殺しとのことだ。」


「そのことをイクトは……?」
「あー、さっきいた彼か?知るのも時間の問題だろ。組を潰しながら堅気の人間をも巻き込んでいる。相当荒くれものだな。」


「叔父貴……今の亜魔野組が四霊組に勝負をけしかけたら、どのくらいの勝率だとお考えですか?」

「70%と言いたいところだが、五分五分だろうな。だいぶ若い奴らはしごいたが、今の亜魔野組には一番大事なものが欠けている。実戦経験だ。お前の仕事のおかげで亜魔野組は抗争を起こすことなく勢力を広げてきた。このご時世には合ってるが、四霊みたいな下衆相手じゃ、意味をなさない。」


「やっぱり、安全な正攻法では甘いってことですか?」
「そうだ。だが、勝てないとは思わない。勝つための犠牲があれば、勝率はあがる。」


この命を賭けたら……どれだけ亜魔野組が有利になる…?組を守れる……?


天を守れる……?