ー宣告ー
「落ち着いて聞いてください。」
「はい、」
冷や汗が私の背を流れた。
「あなたは3年後、今までの記憶が無くなります。」
「え?」
ー静かな病室には私の呆気に取られた声が響いていたー
「ってことはもう、、今までのことを全部、全部忘れてしまうってことですか?」
「はい、残念ですが、、」
ー本当に突然すぎて、なにも分からなかったー
ーいや、嘘だ、分かろうとしなかったー
状況が理解できなかった。
ただ、記憶が無くなるという事実を知って。
走って帰った。道ゆく人の視線など気にせず。
ただ、悲しかった。虚しかった。私は見放されたんだ。そう思ってみたりした。
でも、胸の痛みは消えなかった。消えるはずがなかった。
今までの13年間の記憶全てを、3年後、つまり16歳になった時に失うのだ。
ーもう、いっそのこと身でも投げて死のうかー
橋に手を掛けた。
ガシッ。
「なにやってるんだよ」
「貴方にはなにも関係のないこと。手を離して」
「あーはいはいわかった」
ー手を離された?ー
ーこういう時って止めにくるのが普通じゃない?ー
私は思わず振り返った
「なんだ、飛ばないのか」
「飛ぶわけないでしょ」
「は、お前飛ぼうとしてたじゃん」
「う、確かに」
「はは、なんだお前、ま、俺は飛ぶから」
「は?やめてよこんな所で」
「その言葉そっくりそのままお返ししてやるよ」
「確かに、でも飛ばないでよ?」
「なんで」
「貴方は私が感情に任せて飛ぼうとしていたのを止めてくれた」
「気分だっただけだ」
「私はね、3年後に記憶が無くなるんだ」
「は?なんだ突然?」
「でね、今絶望してる。」
「自分で言っちゃダメだろ。」
ーその時なぜか私から嗚咽が漏れ出た、
今まで我慢していた分の涙が堰を切ったように溢れ出したー
「あれ、私どうしちゃったんだろう」
「馬鹿、お前泣くなよ俺が悪いみたいになるじゃねえか」
「ことごとくクズだな」
「なんだよなんか文句あるか」
「ふふふ、」
「何笑ってんだ気持ち悪い」
「ひど!」
「お前面白いな」
「どこが!?あとお前呼びやめて!?」
「雰囲気!やめねーよ!」
「雰囲気!?あはは何言ってんの!?どこが面白いのこのどんよりオーラの!?」
「俺と一緒のオーラ醸し出してるし、はは、同族嫌悪か!」
「同族でわるかったね!そして私には白峰 咲って名前がちゃんとあるの!」
「はは、所詮同族だよ!俺は玲」
「玲?苗字は?」
「あ゛?捨てた」
「ごめん、何も考えてなかった、忘れて」
「いいよ別に、お前も同じような事情だろ」
「でももう決めたよ、このまま記憶なくなるまで青春謳歌してやる!
青春してたら記憶が無くならなかったりして!あはははは」
「狂っちゃってんね」
「これくらい考えないと生きてけないよ!」
「たしかにな笑」
ー誰かに肩を叩かれるー
「え!?誰?」
「落ち着いて聞いてください。」
「はい、」
冷や汗が私の背を流れた。
「あなたは3年後、今までの記憶が無くなります。」
「え?」
ー静かな病室には私の呆気に取られた声が響いていたー
「ってことはもう、、今までのことを全部、全部忘れてしまうってことですか?」
「はい、残念ですが、、」
ー本当に突然すぎて、なにも分からなかったー
ーいや、嘘だ、分かろうとしなかったー
状況が理解できなかった。
ただ、記憶が無くなるという事実を知って。
走って帰った。道ゆく人の視線など気にせず。
ただ、悲しかった。虚しかった。私は見放されたんだ。そう思ってみたりした。
でも、胸の痛みは消えなかった。消えるはずがなかった。
今までの13年間の記憶全てを、3年後、つまり16歳になった時に失うのだ。
ーもう、いっそのこと身でも投げて死のうかー
橋に手を掛けた。
ガシッ。
「なにやってるんだよ」
「貴方にはなにも関係のないこと。手を離して」
「あーはいはいわかった」
ー手を離された?ー
ーこういう時って止めにくるのが普通じゃない?ー
私は思わず振り返った
「なんだ、飛ばないのか」
「飛ぶわけないでしょ」
「は、お前飛ぼうとしてたじゃん」
「う、確かに」
「はは、なんだお前、ま、俺は飛ぶから」
「は?やめてよこんな所で」
「その言葉そっくりそのままお返ししてやるよ」
「確かに、でも飛ばないでよ?」
「なんで」
「貴方は私が感情に任せて飛ぼうとしていたのを止めてくれた」
「気分だっただけだ」
「私はね、3年後に記憶が無くなるんだ」
「は?なんだ突然?」
「でね、今絶望してる。」
「自分で言っちゃダメだろ。」
ーその時なぜか私から嗚咽が漏れ出た、
今まで我慢していた分の涙が堰を切ったように溢れ出したー
「あれ、私どうしちゃったんだろう」
「馬鹿、お前泣くなよ俺が悪いみたいになるじゃねえか」
「ことごとくクズだな」
「なんだよなんか文句あるか」
「ふふふ、」
「何笑ってんだ気持ち悪い」
「ひど!」
「お前面白いな」
「どこが!?あとお前呼びやめて!?」
「雰囲気!やめねーよ!」
「雰囲気!?あはは何言ってんの!?どこが面白いのこのどんよりオーラの!?」
「俺と一緒のオーラ醸し出してるし、はは、同族嫌悪か!」
「同族でわるかったね!そして私には白峰 咲って名前がちゃんとあるの!」
「はは、所詮同族だよ!俺は玲」
「玲?苗字は?」
「あ゛?捨てた」
「ごめん、何も考えてなかった、忘れて」
「いいよ別に、お前も同じような事情だろ」
「でももう決めたよ、このまま記憶なくなるまで青春謳歌してやる!
青春してたら記憶が無くならなかったりして!あはははは」
「狂っちゃってんね」
「これくらい考えないと生きてけないよ!」
「たしかにな笑」
ー誰かに肩を叩かれるー
「え!?誰?」
