生徒会室の扉が、
バンッ!!!
と衝撃音とともに開いた。
中にいた黒薔薇メンバーは全員ぎょっと振り向いた。
悠真が立ち上がり、胸に手を当てて叫ぶ。
「美羽ちゃん!?どうしたのいきなり!?
あっ……まさか……僕に……会いに来てくれたんだよね……?」
その甘い妄想を秒で叩き潰すように、美羽は悠真の机に"ダンッ!!"と両手をついた。
「悠真くん!!椿くんの"血液型"知らない!?!?」
悠真「…………え、そこ?」
呆然とする悠真を完全にスルーして、美羽はくるりと向きを変え、玲央のところへ駆け寄る。
「ねぇ玲央くん!椿くんの血液型知りたいんだけど!
パソコンのデータに入ってないの!?なんでも保存してるでしょ!?」
悠真は机に手をついたまま震えだす。
「え……無視……?
美羽ちゃん……僕そろそろ泣きそうなんだけど?」
玲央はいつもの冷静な表情で眼鏡を押し上げた。
「すまない、雨宮。生憎、今はデータのアップデート中なんだ。
触ると壊れるからな。椿の血液型は……覚えていないな。
本人に聞くのが確実なんじゃないか?」
「そ、そんなぁあ~~……」
美羽はソファにダランと沈み込み、魂が抜けたように項垂れた。
するとその横で、両手にダンベルを持っている碧が気軽に声をかける。
「でも美羽さん、急に血液型なんてどうしたんです?
ちなみにっ、俺はっ!A!型!ですっ!!」
筋トレしながら血液型を言う人、初めて見た。
美羽は疲れた笑顔で返した。
「へぇ~碧くんAなんだ~……いや、そう言えば椿くんの知らないなぁって思って……
ここに椿くんがいるかと思ったのに~~」
すると遼が、ソファの背もたれに片肘をかけたままニヤッと笑う。
「生徒会長だからな。学園の用事で駆り出されてんだろ~。
あ、ちなみに俺の血液型はBね?」
その顔がキラースマイルすぎて、美羽は無意識に反応した。
「知ってるよ、莉子が騒いでたから~~あっ……!」
言ってはいけないことを言ってしまったと、美羽は慌てて口をふさぐ。
遼は瞬きをして、
「え?なんで莉子ちゃん?」
「え?あ、いや、その……なんでもない!!あははは!!」
すると玲央が、ため息まじりに呟く。
「どうせ今流行ってる“カラフルティーン”の占いだろう。
あれは女子に大人気らしいからな。」
メガネがキラーン。
美羽は内心図星をつかれ「ギクッ!」としていた。
そして可愛く舌をてへぺろっと出した。
「えへ……ばれちゃった?」
悠真がすぐ横で叫ぶ。
「え~そうなの?!じゃあ美羽ちゃん!
まず僕との相性見てよ!!
ちなみに僕の血液型は――」
「じゃ、椿くん探してくるね!みんなありがとう~!!」
スパァンと立ち上がり、走り去っていった。
悠真はその場に崩れ落ち、灰になった。
「み……美羽ちゃ~~ん……
僕は……O型だからねぇ~~……」
しかし美羽には聞こえていない。
遼は肩をぽんと叩きながらくすくす笑う。
「悠真、どんまい~」
「あ。ってかなんで莉子ちゃんなのか聞くの忘れたわ。」
「女子高生の単なる戯れだろ。」
鈍感な玲央はクールに窓の外をみていた。
ところかわって、
美羽は廊下を全力疾走していた。
(椿くん……どこ……!?
もう!血液型知らない彼女なんて私だけなんじゃない!?
いや絶対そうだよね!?)
心の中がパニックでいっぱいだ。
廊下を折れるたび、先生たちが驚いた顔を見せる。
「お、おい雨宮~!危ないから廊下を走るなよ~。……おい戻れ!」
美羽はぴたっと止まり、深刻そうな顔で詰め寄った。
「先生!!椿くん知りませんか!?
血液型が……いえ、一大事なんです!!」
教師は圧に押され、肩をひくつかせた。
「あ、あぁ……さ、さっき社会資料室にいたような……」
「ほんとですか!?ありがとうございます!!」
美羽は光の速さで走り去った。
教師はぽつりと呟く。
「……いったい、なんなんだ?」
バンッ!!!
と衝撃音とともに開いた。
中にいた黒薔薇メンバーは全員ぎょっと振り向いた。
悠真が立ち上がり、胸に手を当てて叫ぶ。
「美羽ちゃん!?どうしたのいきなり!?
あっ……まさか……僕に……会いに来てくれたんだよね……?」
その甘い妄想を秒で叩き潰すように、美羽は悠真の机に"ダンッ!!"と両手をついた。
「悠真くん!!椿くんの"血液型"知らない!?!?」
悠真「…………え、そこ?」
呆然とする悠真を完全にスルーして、美羽はくるりと向きを変え、玲央のところへ駆け寄る。
「ねぇ玲央くん!椿くんの血液型知りたいんだけど!
パソコンのデータに入ってないの!?なんでも保存してるでしょ!?」
悠真は机に手をついたまま震えだす。
「え……無視……?
美羽ちゃん……僕そろそろ泣きそうなんだけど?」
玲央はいつもの冷静な表情で眼鏡を押し上げた。
「すまない、雨宮。生憎、今はデータのアップデート中なんだ。
触ると壊れるからな。椿の血液型は……覚えていないな。
本人に聞くのが確実なんじゃないか?」
「そ、そんなぁあ~~……」
美羽はソファにダランと沈み込み、魂が抜けたように項垂れた。
するとその横で、両手にダンベルを持っている碧が気軽に声をかける。
「でも美羽さん、急に血液型なんてどうしたんです?
ちなみにっ、俺はっ!A!型!ですっ!!」
筋トレしながら血液型を言う人、初めて見た。
美羽は疲れた笑顔で返した。
「へぇ~碧くんAなんだ~……いや、そう言えば椿くんの知らないなぁって思って……
ここに椿くんがいるかと思ったのに~~」
すると遼が、ソファの背もたれに片肘をかけたままニヤッと笑う。
「生徒会長だからな。学園の用事で駆り出されてんだろ~。
あ、ちなみに俺の血液型はBね?」
その顔がキラースマイルすぎて、美羽は無意識に反応した。
「知ってるよ、莉子が騒いでたから~~あっ……!」
言ってはいけないことを言ってしまったと、美羽は慌てて口をふさぐ。
遼は瞬きをして、
「え?なんで莉子ちゃん?」
「え?あ、いや、その……なんでもない!!あははは!!」
すると玲央が、ため息まじりに呟く。
「どうせ今流行ってる“カラフルティーン”の占いだろう。
あれは女子に大人気らしいからな。」
メガネがキラーン。
美羽は内心図星をつかれ「ギクッ!」としていた。
そして可愛く舌をてへぺろっと出した。
「えへ……ばれちゃった?」
悠真がすぐ横で叫ぶ。
「え~そうなの?!じゃあ美羽ちゃん!
まず僕との相性見てよ!!
ちなみに僕の血液型は――」
「じゃ、椿くん探してくるね!みんなありがとう~!!」
スパァンと立ち上がり、走り去っていった。
悠真はその場に崩れ落ち、灰になった。
「み……美羽ちゃ~~ん……
僕は……O型だからねぇ~~……」
しかし美羽には聞こえていない。
遼は肩をぽんと叩きながらくすくす笑う。
「悠真、どんまい~」
「あ。ってかなんで莉子ちゃんなのか聞くの忘れたわ。」
「女子高生の単なる戯れだろ。」
鈍感な玲央はクールに窓の外をみていた。
ところかわって、
美羽は廊下を全力疾走していた。
(椿くん……どこ……!?
もう!血液型知らない彼女なんて私だけなんじゃない!?
いや絶対そうだよね!?)
心の中がパニックでいっぱいだ。
廊下を折れるたび、先生たちが驚いた顔を見せる。
「お、おい雨宮~!危ないから廊下を走るなよ~。……おい戻れ!」
美羽はぴたっと止まり、深刻そうな顔で詰め寄った。
「先生!!椿くん知りませんか!?
血液型が……いえ、一大事なんです!!」
教師は圧に押され、肩をひくつかせた。
「あ、あぁ……さ、さっき社会資料室にいたような……」
「ほんとですか!?ありがとうございます!!」
美羽は光の速さで走り去った。
教師はぽつりと呟く。
「……いったい、なんなんだ?」



