私、別に『尊敬』を横文字で言われるほどのこと、した覚えないのに。
自分でも、彼らがそこまでしてくれる理由はわからないのに。
そして……彼らが誰かのために動くこと。
それも暴力じゃなく、堂々とスポーツで勝負するなんてひと昔前じゃ考えられなかった行動が、「奇跡」みたいに言われるたびに──
待ち受けている未来が、現実味を伴って進む足を鈍らせる。
不安がないっていえば嘘になるし、正直怖いって気持ちの方が大きい。
「かっちゃん……私、本当は心配で──」
沈みかけていた気分のまま、俯いた顔をかっちゃんの方へ向けた……ら。
「やっべー!!カッケー!!えぐ、ナイスショット!!ベスト角度!!」
……かっちゃんは。
どこの女子高生だってくらい弾けるテンションで、ハイジのプレイを連写していた。
「次、動画動画!!」
何枚も撮ったあと、そのまま動画モードに切り替えている。
……かっちゃん。
君は何をしているんだい?
「うわっ、こっちはケイジくんwithたこ焼きボールじゃん!!レアショットきた~!!」
撮影対象がハイジからケイジくんに移ると、かっちゃんのテンションはさらに加速。
生温かく彼を見守る私の横で、シャッター音が鳴り続けていた。
一体彼に何から聞けばいいのか、言葉が出てこない。
その間にもかっちゃんはハイジとケイジくんのツーショットを撮りまくり、しまいにはどこから出したのか謎の“ガチなカメラ”に持ち替え、プロみたいな勢いで激写し始めていた。
「よし、一旦ここまでにしとこ~。ダンク決めたら、それもコレクションに……」
数分後。
ようやくカメラを下ろしたかっちゃんは、にやりとほくそ笑んだ。
私はごくりと唾を飲み込む。
なんだろうなんだろう!?
この、見てはいけないものを見てしまった感は、何なんだろう!?


