気まぐれヒーロー3



確かに大きさはバスケットボール級なんだけど、ベージュの球面にソースと青ノリまで描かれちゃってる“それ”を見て、私はぎょっとした。


「あ、ごめんごめん。こっちやった」


照れ笑いしながら、ケイジくんは飛野さんの手からたこ焼きボールを回収し、本物のバスケットボールをぽんと置いた。


「ケ、ケイジくん……何なのソレ……」

「あ、コレ?いや、ボール足りんくてさ。ドンキで買ってん」


マジ!?

ドンキにそんなの売ってんの!?っていうか他にもあっただろうに、なんでソレをチョイスしちゃったの!?やっぱりアレ!?たこ焼きプリンスだから!?


っていうかソレ……弾むの!!??


そこが一番気になる。

そして同時に、たこ焼き仙人の呪いの重さを痛感した。


「悪いな花鳥、昼過ぎまでここで自由にしててくれ」

「は、はい……」


たこ焼きボールに気を取られていると、飛野さんがバスケットボールを手にコートへ歩き出したので、私もケイジくんとタイガのあとについて行った。


なんか……休日の彼らは思ったより、爽やか。
バスケしてるからか、不良って感じが全然しない。

ベンチに腰を下ろし、みんなが練習に励んでいるのを、ぼけーっと眺めていた。

もともと影が薄いのに、もう今なら空気と同化できそうな気さえする。

ハイジは私なんて気にしてないし、話しかけてもこない。ケイジくんとがっつり競り合ってる。


飛野さんは少し離れた位置から、シュートの練習をずっとしていた。

なぜかタイガがちゃっかり手伝っていて、ボール拾い係みたいだった。

でも時々正規のバスケットボールじゃなくてたこ焼きボールを渡すから、そのたび飛野さんを怒らせていて、めんどくさいことするヤツだと思った。


飛野さん、背高いし、バスケしてるとめちゃくちゃサマになる。


っていうか、飛野さんも練習してるってことは……試合に出るメンバーどうなってるのかな?

三人なんだよね?

ハイジとケイジくんとジローさん、だと思ってたけど……飛野さんも?