気まぐれヒーロー3



「またまた~!姐さんの武勇伝は聞いてますから!!」


ぽむっと、少年に笑顔で肩を叩かれた。


うわ~……ふ、ふれんどり~……。


それより私の武勇伝って何なんだろ。
めちゃくちゃ気になるんですけど……。


「はいはい、そこまでな」


群がってくる少年達を、ケイジくんがしっしっと手で払う。

まだ興奮冷めやらぬ彼らは、何度か私をチラ見しつつも渋々コートへ戻っていった。


「ももちゃん、すぐ自虐ネタに走ってまうもんな~」

「ハハハハハ……」


さすが、よくわかってらっしゃる。


「で、飛野さんにクロちゃん。二人が連れてきたん?」


ケイジくんの視線がちらりと、私から隣の二人へ移る。

探るような、どこか油断ならない目。

ケイジくんはふとした瞬間、こういう顔をする。

いや、もしかしたら……他愛のない会話の最中でも、彼は別の企みを抱いているのかもしれない。

だからちょっぴり緊張しちゃうのも事実。


「いや、俺が」


答えたのは飛野さんだった。


「別にいいだろ?隠すことでもねえし」


飛野さんはケイジくんのその“目”にも、いつも通りの笑顔で返す。

この流れからすると、私をここに連れてきたのは、飛野さんの独断ってことなんだろうか。

ハイジのあの驚いた顔やケイジくんのセリフからすると、そうとしか思えない。


つまり、ハイジ達がバスケしてる姿を私に見せるために……?


「ふ~ん。クロちゃんは付き添い?」

「おいおい、俺が暇を持て余してるみたいな言い方すんじゃねーよ。最終ヘイキだろ、俺は」


タイガはどや顔で胸を張る。

『暇人なわけじゃないんだよ』とアピールしまくっていた。


「へえ……あ、じゃあハイ。飛野さん」


ケイジくんはそんなタイガを軽くいなし、飛野さんに何かを手渡した。


さっき見えたシルエットが丸かったから、バスケットボールかなと思ったんだけど──

飛野さんの手のひらに乗ってる物。


「お前、コレ……」


それはバスケットボールじゃなくて、たこ焼きボールだった。