私、硯里桃(すずりもも)。今日から高校1年生ー
なんだけど、私には外交的で男女共に人気、加えて成績優秀である硯里菜奈(すずりなな)という双子の姉がいます。

けれど私は小中と周りから姉と比較され続け、正反対の内向的で自分に自信がなく、友達がほぼと言っていい程いないぼっちです。

はぁ、今日から高校生活か〜、憂鬱だな、行きたくない。。
しかもまた双子で同じ学校とか、やる気なくす…

菜奈「桃〜!!入学式遅れるよ!」
私  「今行くから!」

双子の姉菜奈が1階の階段下から私を呼ぶ―
相変わらず声デカいんだから、、

母「桃〜!早く降りてきなさい!菜奈を待たせちゃダメでしょー!」

私「聞こえてるって!(二回も言わなくていいじゃん、、)はぁ、、」

母「二人とも行ってらっしゃい!菜奈、新入生代表挨拶頑張って!桃は菜奈を見習って勉強第一にするように!いいわね?」

菜奈「ありがとう〜!行ってきます!」
私「行ってきます…」

なんで私ばっかり、お母さんのせいで気分ダダ下がりだよ、、もう!!

体育館(たいいくかん)

先程外で確認したクラス分けによると、菜奈は1-A、私は1-Cだった。そんな事を考えながら体育館に2人で入り、それぞれのクラスの自分の氏名が書かれた椅子に座る。

しばらくぼーっとしていると、私の隣で誰かが視界の端で座るのを感じ、思わず隣に座った人を見る―

??「ん?どうしたの?」

私「ううん、急に座ったからビックリして、あとぼーっとしてたから、つい」

??「ふっ、そっか!(反応可愛いな、この子)あっ、俺、瀧慧吾(たきけいご)!よろしく!それにしても来るの早いんだな、まだ開始1時間前なのに」

私「あっ、わたし、硯里桃(すずりもも)、、よろしくね、、早かったのはお姉ちゃんと一緒に来たから、、」

慧吾「お姉ちゃん?2年生か3年生?」

私「ううん、同い年、、双子なんだけど、今日新入生代表挨拶任されてるみたいで」「ほら、先生?達近くの所で立ってる」

と指差す―

慧吾「へぇ~、一卵性(いちらんせい)?」(ふ〜ん、でも俺は桃の方がいいな、なんか小動物みたいで虐めたくなる)

私「うん、でもあんま似てないでしょ?人によって意見分かれるんだけど、、」

慧吾「う〜ん、遠目だと判断しづらいな、、でもさ!似ても似てなくても桃は桃じゃん?双子は2人で1人とか言うけど、俺からすれば桃は他の子達と同じ普通に一人の女の子じゃん」

私「っ!そ、そんなこと初めて言われた、、あ、ありがとう、、」(呼び捨てされたけど、そんなことよりも今の言葉嬉しいな)

と小声でお礼を言いながら顔を赤くして俯く―

そんな桃の仕草(しぐさ)を見て―

慧吾「(か、可愛過ぎる!!)い、いや、だからその〜可愛いんだから、桃ももっと自信持って!」

私「っ〜!!か、可愛くなんか、」

慧吾(いや、冗談抜きでマジ可愛いんだが?)

すると瀧くんが私の耳元に顔を寄せてきて―

慧吾「可愛いよ、(もも)」と低音ボイスで囁いてきた

私「%#¥$#?!」

と私は入学式終わるまでずっと顔が茹でダコのように赤くなり、顔を上げることができないまま過ごした―