――その時。

「当日は専属のカメラマンが入り、挙式から披露宴まで撮影いたします」

彩夏が説明を続けると、優花がすぐに頷いた。

「やっぱりカメラマンはお願いしたいです」

「承知しました。プロのカメラマンですと、自然な表情や大切な瞬間を逃さず撮影できます。アルバムや動画のプランもございます」

楓介が興味深そうに身を乗り出す。

「動画も残せるんですか?」

「はい、写真だけでなくダイジェストムービーや当日のエンドロールも可能ですよ」

そのタイミングで、扉がノックされ、背の高い男性が入ってきた。

「失礼します。カメラマンの優斗です。本日は撮影プランの確認でご一緒させていただきます」

落ち着いた声と爽やかな笑顔に、会場の空気がふっと和らいだ。

新郎新婦の表情も、少し安心したように見える。

彩夏は横でそのやり取りを見つめながら思った。

――やっぱりプロの存在は心強い。新郎新婦の安心を引き出す力があるんだ。

彩夏はノートを閉じ、次の提案に向けて気持ちを切り替えた。