「本日はよろしくお願いします」

新郎・楓介さんと新婦・優花さんが、少し緊張した面持ちで会場に入ってきた。

ウェディングプランナーの彩夏は、いつものように笑顔で迎える。

「お二人の大切な一日を、心を込めてサポートさせていただきますね」

打ち合わせが始まると、二人は互いを思いやるように言葉を選びながら、式のイメージを語り合った。

「まずは結婚式のご予定時期やイメージをお聞かせいただけますか?」

彩夏が問いかけると、優花は少し緊張した面持ちで口を開いた。

「派手じゃなくていいんです。ゲストは少なめで、温かい気持ちになってもらえるような式にしたいです」

楓介も静かにうなずく。

彩夏は手元のノートに丁寧に書き込み、柔らかな笑みを浮かべた。

「承知しました。お二人の思いを形にできるよう、全力でご提案させていただきますね」

「ご招待予定の人数はどのくらいでしょうか?」

問いかけに、楓介が答える。

「親族中心で、20〜30名ほどを考えています」

「素敵ですね。少人数なら、ゲスト一人ひとりとゆっくり過ごせる時間を作れます。
お料理や会場の雰囲気も、より家庭的で温かみのあるものをご提案できますよ」

彩夏の言葉に、優花は少し安心したように微笑んだ。

「そうですね。ゲストに『来てよかった』と思ってもらえるような式にしたいです」

「そのお気持ちを大切に、演出や進行もシンプルで心が伝わるものを考えていきましょう」

優花は少し苦笑いを浮かべながら、言葉を続けた。

「でも、やっぱり憧れていた結婚式の、あのきれいな感じは欲しいんです。
ずっと夢見ていたので…」

彩夏は頷き、優しく答える。

「なるほど、派手ではなくても『憧れの美しさ』を取り入れたいのですね。
例えば、装花や照明で雰囲気を演出したり、写真映えするシーンを作ることも可能です」

楓介が真剣な眼差しで言葉を重ねる。

「そうですね。ゲストに温かさを感じてもらいつつ、自分たちも夢を叶えたいです」

「承知しました。では『少人数でアットホーム』かつ『憧れの美しさ』を両立できるプランをご提案いたしますね」

彩夏はノートを閉じ、二人に向かって力強く微笑んだ。