二人きりの帰り道




あたしたちはレポートの話とか、学校の話、花や海の話をしながら歩いた。




胸のドキドキさえも心地いいの。




「あたしの家…もうすぐそこだから……」


「…そっか。じゃあまた明日な」


「おやすみ……空」


あたしはやっと呼べた。


大好きな人の名前


「はは♪……おやすみ、陸!!」


少し照れたように笑う空に、胸が締め付けられる。


あたしの顔が真っ赤なことだけは、見逃してほしいんですけど…。