【中】恋はタイミング

「あ…ご、ごめん!!」


俺は握っていた手を離した。


いきなり何やってんだ!!俺は!!




「……ううん…」


うつむいたままの陸


そう。


確かにさっき俺は『陸』って呼んだ。


何度でも何度でも…今一番呼びたい名前


声を大にして叫びたい名前




正直、俺は限界だった。




二人きりで過ごすはずだった放課後


いつの間にか4人になってて。


確かに楽しかったけどさ、でもやっぱ違うんだ。


俺、自己中でわがままだかんな。




…………足りないって思った。


気がついたら動いてた。