「野球してーに決まってるし!」


だけど…部員が居なくなった今「優勝」の文字すら諦めている俺がいた。


一人じゃ…野球も出来ない!


今の俺…すげー惨めだよな。


今、宮原が投げたボールで俺は現実を知ったんだ。


悔しい思いとか、自分の強引さを…。


「痛…かった?」


真剣な目で、俺の顔を伺っている宮原。


「当たった!腹に直接、ダメ!動けねー!どうしてくれんだよ!!」


冗談まじりに、放った言葉だったのに…。


デカい瞳が、みるみる輝いて、今にも泣きそうな顔をしたんだ!


「ごめん!!嘘だよ?大丈夫。鍛えてるし、女子が投げるっ?」

「…!!!…」


宮原は、いきなり俺の唇を塞いだ。


キスされた?