「お前、女いるのか?」 既に出来上がっている、上司がツマミの枝豆を、繰り返し口に運びながら言った。 お決まりの会話には、いつも女性の話だったり、家族の話題に変わる。 「いえっ!いません…。」 「まぁなっ、まだ神島は若いから!」 励ましてくれてるのか? なだめてくれてるのか? わけわからない…。 でも、俺の心の隅には… いつも離れない『あいつ』の存在があった。 誰も知らない…… 俺だけの 大事な…人なんだ。