約束の聖夜

ミユキの最寄りの駅からアパートまでは、

15分くらいの道のり。

見上げる東京の夜空は、田舎と違って

星が全然見えなくて真っ暗だから、

ちょっと寂しくなる。

暗い帰り道を急いでいると、

ポケットで携帯がふるえた。


発信者は「ウチ」。

田舎の実家の電話番号だ。

『もしもし、おねーちゃん?』

『キヨミ?どしたの、平日に?』

電話の向こうは、高校三年の妹。

年の離れた姉妹。