運命の恋は、雨のバス停から


立ち上がり、藤井さんを会議室へと案内する。

エレベーターに乗り込み、六階のボタンを押す。
視線を横に向けると、藤井さんの肩がわずかに強張り、緊張しているのが伝わってきた。

六階に着き、第二会議室の前で足を止める。
軽く深呼吸してから、会議室のドアをノックした。

「失礼いたします」

ゆっくりとドアを押し開けると、松沢課長はすでに椅子に座っていた。
課長は軽く手を挙げて微笑み、その表情を見て私の緊張が少し和らぐ。
私は、後ろに控えていた藤井さんに声をかけた。

「どうぞ、お入りください」
「ありがとうございます」

藤井さんは緊張した面持ちで会議室の中に入っていった。
私は小さく会釈して会議室のドアを静かに閉める。

受付に一人残された奈子ちゃんのことが気になった。
二人体制だから早く戻ってあげないと、と私は足早にその場を後にした。

***

その日の仕事終わり、スマホにメッセージが届いていた。
画面を確認すると直美からだった。

【今週の土曜日、ショッピングに行かない?】

その内容に笑みがこぼれる。

【いいよ、行こう!】
【やった!私が車で家まで迎えに行くよ。時間はまた直前に決めよう】

すぐに返信が届き、私は【了解】というスタンプを送る。
私も秋物の服を見たいと思っていたので、ちょうどよかった。
少し浮かれた気分で、制服を脱いだ。