運命の恋は、雨のバス停から

雨宮さんは聞き上手で、私の言葉を遮ることなく穏やかに笑いながら相槌を打ってくれる。
年齢が近いこともあり、気づけば肩の力がずっと抜けていた。

ふと、時計を見ると十六時を回っていて、窓から差し込む日差しも傾いている。

「そろそろ帰ろうか?」

そう言って、雨宮さんが立ち上がる。
会計をする時、私が財布を出そうとしたら「ここは僕が払うよ」と言ってスマートに支払ってくれた。
そのさり気ない気遣いに、胸の奥が温かくなる。

カフェを出ると、柔らかな秋の風が頬を撫でた。

「今日は来てくれてありがとう。もしよかったら、次は食事でもどう?」

その言葉に心臓が跳ねる。
まさか、次の約束があると思わなかったので、驚きと嬉しさが混じり合い胸がいっぱいになる。

「はい、ぜひ」

私が笑顔で答えると、雨宮さんは少し照れたように笑う。

「じゃあ、また」
「はい」

軽く手を挙げて別れを告げ、背中を向けて歩き出す。
家路につく足取りは自然と軽く、次に会う日が待ち遠しくて仕方なかった。