運命の恋は、雨のバス停から

「椎名さんは嘘が付けない人ですね」

そう言って優しく笑う雨宮さんの顔を見て、また胸が高鳴った。

「私は椎名みのりです。二十六歳で……知っていると思いますけど、受付の仕事です。趣味はショッピングで、よく同期の友達と行ってます。あとは一人でのんびり過ごしていることが多いですね」
「椎名さんは二歳年下なんですね」

雨宮さんは柔らかく微笑む。
私はさっきから思っていたことを口にした。

「雨宮さん、できれば敬語じゃなく話してもらえませんか?私の方が年下ですし」

私の申し出に、雨宮さんは一瞬、目を見開いたけどすぐに頷いた。

「分かった。じゃあ、普通に話すよ」

そこから自然と会話も弾んだ。
学生時代の思い出話で笑い合ったり、趣味の話や休日の過ごし方で思わぬ共通点を見つけたりするうちに、自然と距離が縮まっていくのを感じた。

「えっ、雨宮さんはカフェ巡りをしているんですか?」
「いや、カフェ巡りというか、カフェでのんびり過ごすのが好きなだけだよ」
「そうなんですね。私はいろんなカフェに行って美味しいスイーツを食べたり写真に撮ったりしているんです」

私はスマホを取り出して、先日撮ったばかりの写真を雨宮さんに見せた。

「これは、この前行ったカフェで食べたパンケーキです。すっごくフワフワで美味しかったです」
「へぇ、美味しそうだな」

彼は興味深そうにスマホを覗き込み、目を細めて微笑んだ。