俺は自制心を働かせると、美弥の髪を痛めないようにドライヤーの『弱』で乾かしていく。俺は結婚してから、時間があるときはなるべくこうやって美弥の髪を乾かしている。
理由はつまらない独占欲からだ。だって美弥の洗いざらしの髪に触れて乾かせるのなんて、この世界で俺だけ。
(てか。独占欲の強い男って流行ってないのか?)
ふいに英玲奈から言われた言葉が脳裏に浮かんだが俺はすぐにかき消した。
(ふ、どうでもいいじゃん)
(どうせずっと独占すんのやめらんないし)
結婚してから俺の美弥への愛情は薄まるどころか毎日深まるばかりだ。それに比例するように独占欲ももれなく強まっていくわけなのだが、これはもう仕方ない。
「ねぇ、颯。今日も楽しかったね、あっという間だった」
「そう言ってくれると、俺も嬉しい」
俺はこのドライヤーを乾かす間の夫婦のたわいない会話のやり取りも好きだ。
「英玲奈ちゃんと今度ランチ行ってきていい?」
「ん?、あのコーヒー豆が来たとかいう店?」
そうそっけなく返事しながらも、美弥が自然と英玲奈“ちゃん”と呼んでいることに微笑ましくなる。
美弥はずっとひとりぼっちだったから。
誰よりも“家族”に憧れていたことを、俺は知っているから。
「うん、だめ?」
顔だけこちらに向けて俺に尋ねる美弥に、俺は口角を上げた。
美弥からのお願いは基本大歓迎だ。
理由はつまらない独占欲からだ。だって美弥の洗いざらしの髪に触れて乾かせるのなんて、この世界で俺だけ。
(てか。独占欲の強い男って流行ってないのか?)
ふいに英玲奈から言われた言葉が脳裏に浮かんだが俺はすぐにかき消した。
(ふ、どうでもいいじゃん)
(どうせずっと独占すんのやめらんないし)
結婚してから俺の美弥への愛情は薄まるどころか毎日深まるばかりだ。それに比例するように独占欲ももれなく強まっていくわけなのだが、これはもう仕方ない。
「ねぇ、颯。今日も楽しかったね、あっという間だった」
「そう言ってくれると、俺も嬉しい」
俺はこのドライヤーを乾かす間の夫婦のたわいない会話のやり取りも好きだ。
「英玲奈ちゃんと今度ランチ行ってきていい?」
「ん?、あのコーヒー豆が来たとかいう店?」
そうそっけなく返事しながらも、美弥が自然と英玲奈“ちゃん”と呼んでいることに微笑ましくなる。
美弥はずっとひとりぼっちだったから。
誰よりも“家族”に憧れていたことを、俺は知っているから。
「うん、だめ?」
顔だけこちらに向けて俺に尋ねる美弥に、俺は口角を上げた。
美弥からのお願いは基本大歓迎だ。



